株式会社石川四方蔵商店
お茶の宿

〜 お茶の宿 平成28年 新春版 〜

あけましておめでとうございます、今年もよろしくお願い致します。
2016年は茶業界にとって明るい年のスタートになる事を期待したいと思います。年末年始の地方の売れ行き状況ですが、原発以後では一番良かった様な話を聞きます。年始は晴天にも恵まれて商店街や神社には人が多く、北海道や東日本方面の小売店や大型店は売り上げの良い店が多くありました。お歳暮の贈答品はあまり出ませんでしたが、年末年始のお年賀用とお正月の飲み茶が出た様です。
12月の始めにNHKとフジテレビで掛川の深蒸し茶が放送されました。お茶の成分の中に、お湯と水で溶けだし方が違う数種類のカテキンが入っているので、熱湯で出すと抗がん作用と抗炎症作用の効能があり、水出し煎茶で出すと免疫力を高める作用があることを野菜茶業研究所が発表しております。熱湯・水出し煎茶のどちらで出しても抗酸化・抗菌作用と腸内環境を整えるなどの効能があり、健康な体作りにお茶が期待されています。この様な内容の事を放送したと思いますが、この放映後では地域によっては深蒸し茶がよく売れた様です。
また昨年、大和書房より『コンビニの(買ってはいけない)(買ってもいい)食品』というタイトルの本が出ております。この本を読めばお茶が安全な飲み物だとわかります。世界で添加物の入ってない飲み物はお茶と水だけです。また昨年の12月の始めNHKテレビのクローズアップ現代でもハム・ソーセージなどの防腐剤や添加物が入っている商品は、発ガン性があることを取り上げ、放送されました。添加物はジュース類の殆どの商品に入っています。若い人は敏感でこの本を結構読んでいます。将来親になれば防腐剤や添加物の入った物を子供に食べさせないでしょう。この様な状況が消費者には徐々に浸透して来ていると思います。いずれはお茶にとり追い風になる事を期待しています。年末、清水港にある河岸の市と言う市場に行きました。蒲鉾売場は半額以下の値段であるにもかかわらず、購入者があまりいないようでした。テレビで放送したり本で書かれたりすれば大きな影響を受けます。お茶に関してはテレビやマスコミでいい事を取り上げてもらっています。今こそお茶のいいところを訴えるチャンスです。宣伝すれば効果は大きいです。お茶の明るいニュースが沢山あり、有難いです。売り方も変わって来ます。従来のやり方では駄目です。昨年の12月には静岡市内で一番老舗の小売店のお茶やさんが、同じ市内の袋詰めのメーカーと業務提携をしました。茶業界にとっては大きなニュースです。今後どうなるのか両者の行く末を見たいと思います。今年は飛躍の年にしたいです。是非頑張ってください。



〜 お茶の宿 平成23年 新春版 〜

茶況
今年の冬は大雪と寒さでお茶の売れ行きはまずまずと思います。昨年は夏の暑さが異常で特に9月は経験をした事がない売れ行き不振で先行きを心配しましたが、秋から飲み茶などに力を入れた専門店等は、前年並の売上成績を残した所が結構ありました。贈答品に関しては今まで消費を支えてくれた、団塊の世代と言われた人達が三年前位から定年を迎え年金暮らしの人が多くなり、所得が少なくなり贈答品は急激に減りました。若年層の人口減少が来ている中での、社会状況で贈答品の売れ行きの落ち込みは此からも続くと予測します。今後12月の売り上げ増はお茶に突発的な出来事でもない限り上昇は見込めないです。如何に普段の飲み茶を売るかが商売上の分かれ目になると思います。
ためしてガッテン
新年1月12日(水)NHKテレビ[ためしてガッテン]で掛川市の健康長寿の秘訣は(お茶をたくさん飲む)生活習慣が紹介されました。茶業界にとっては喜ばしい放送と思います。今回のような放送内容は今までお茶を飲まない、若年層の取り込みには一番効果のある紹介と思います。若者を招いた当社の討論会でもお茶を飲むきっかけは成人病に効果があるのでした。これを起爆剤として茶業者がみんなでお茶の良さをアピールする事が大事です。今回の放送は一過性ではないと思います。毎日お茶飲んでこそ効果あると言ってました。必ず消費増につながります贈答品に使う若者も増えて来ます。ふかむし茶でなくお茶は体に良いと宣伝すれば茶業者全体に波及効果が出てくるでしょう。お茶は素晴らしい未来や夢のある商売です、頑張って下さい。



〜 お茶の宿 平成22年 夏版 〜

茶況
今年の夏は猛暑で水関係やコンビニなどの商売では、扱う商品により好調な業種がたくさんあったと報道されております。新茶に関しては3月末に30年に一度の凍霜害に見舞われ、摘み取りが出来ないかと心配でしたが、生産者の努力と茶園の樹勢回復により昨年より遅くなりましたが、予想以上に美味しいお茶が生産され安心を致しました。生産量は霜害の影響が大きくて1茶の数量はここ50年で一番少ないです。家庭での飲み茶は7月から8月にかけて、猛暑で落ち込みが大きくなっていますがドリンクはより売れております。ギフト(仏事)は暑い中昨年並みに動いてます。総務省家計調査の消費量は1月から6月までは、5月の新茶を除き各月とも昨年より増えております。当社の売り上げも総務省の調査と同様昨年の11月より増えております。増えている理由はギフト(仏事)と思います。当分今後のお茶の動きはギフトとドリンクが主体に進みそうです。毎年この欄で静岡県の茶園の減少を書きましたが、今年は霜害と高齢化の中で特に山間地では価格の低迷により、最盛期から比べたらあと数年で辞める茶農家が多くなり、半分以下になると予想されます。生産量日本一を静岡県があと何年続ける事が出来るか、生産者と産地問屋が頑張らないと、茶業界の未来を明るくするためにも石川四方蔵商店は生産家や地方の茶専門店と共に頑張りたいですね。

平成22年9月吉日


〜 お茶の宿 平成22年 新春版 〜

茶況
2月も半ばを過ぎ来月はひな祭り新茶も間近です。昨年はデフレの傾向により、安売り競争へと巻き込まれ売上・収益共に落ち込み、トンネルの中に突入出口が見えない状況下、手軽なティーパックや焙じ茶・被せ茶は良く売れました。静岡産一茶の在庫はミル芽摘み減産にも拘わらず安値相場、近年になく在庫も少ないです。ただ、秋以後にギフト関係に大きな倒産があり、茶業界も資金繰りによる投げ売りの茶が出回り、相場を崩し混乱し悪化の様子が分かる変化の激しい一年でありました。二極化も進み勝ち負の差がはっきりする事が予想されます。これまでの風習や客待ちだけでは需要は見込めず、新しい消費者を取り込むのには大変です。茶業界でもセミナー等の催し物が開催されております。専門店などは積極的に参加して、将来に繋げる努力が必要かと思われます。全茶連が各地で主催する茶経塾や、全茶クラブが毎年9月東京のホテルで行う日本茶販売アドバイザーなど、お茶の販売や小売りの接客・商品知識など茶に関する勉強会があります。茶業者には参考になると思います。是非参加する事をお奨めします。

平成22年2月吉日


〜 お茶の宿 平成21年 夏版 〜

茶況
今年の夏は雨が多く涼しかったですね。また日本中を熱狂させた、45回衆議院選挙が行われ民主党の圧勝で幕。茶業界も大きく変わって消費が伸びてくれればいいですね。今年の一番茶は生産量は減産、売れ行きは新茶商戦と5月はやや良く、その後はダウンです。価格は昨年の15%安、減産と価格安で茶農家の経営は一層厳しくなり、生産者は廃業する所が、たくさん出てくると思われます。また農林水産省は茶農家に対して、大型店などが推奨している、Jギャップ制度(生産履歴をより詳しく書いた栽培日誌)作りを、農家に推進して行く方針です。この制度により機械化等のお金や、作業日誌など時間がかかる手間等で、個人農家は労働が長時間になり、労働力の割にはお茶への価格が、反映されない事が予測されます。若い人や大型の共同工場でないと、お茶の栽培ができないような制度になります。特に個人農家は規制を作れば経費だけが増えて、美味しいお茶はできなくなる。今の茶農業は国の方針で個人の茶工場より大型茶工場が優先されています。大きな茶工場も設備投資でお金を投入してますが、その為にも茶の価格が上がらないと、お茶を作る人はいなくなります。一方緑茶ドリンクは涼しさと長雨,ティーポットボトル(昔の水筒)の流行で売れ行きが大きく落ち込んでいる。今後は便利さよりお金に対しての、効率的な商品の飲み物が重要視されるでしょう。今後はティーポットボトルを利用する人が多くなると思います。

平成21年9月吉日


〜 平成21年 新茶 商報 〜

皆様には日頃ひとかたならぬお引き立てを賜り厚く御礼申し上げます。
今年の冬は暖冬です。新茶も昨年と比べると、三月の中旬時点では相当早い予想でした。下旬にかけて寒さが戻り昨年並みの摘み取りになりそうです。また産地により凍霜害の被害を受けている場所もあります。三月中旬より九州物の新茶が静岡茶市場に上場されておりますが、例年より十日以上も早く摘んだ場所はミル芽や光沢がなく、昨年の走りと新茶と比較をしても値段は安いが品質は良くありません。今の所決して安い相場とは思いません。早く静岡産の上級品が出てくるのを待っているような状況です。天候の異変などない限り四月十五日前後より静岡茶の摘み取りが始まります。ヤブキタや早生品種の美味しい新茶は二十日前後からになるでしょう。年明けの消費地は低価格志向でテイーパックや百円ショップなどの売れ行きは好調です。原料価格が五百円前後では国内の生産家では採算が合いません。この用な状況が続けば農家はお茶の栽培を止める所がたくさん出てくるでしょう。また緑茶ドリンクは焙じ茶が売れていますが他の商品は一時程の勢いはなく落ち込みが大きいと思います。今年の静岡茶市場の初取引は四月二十日(月)に決まりました。今年も社員一同頑張り邁進する心構えでおりますので宜しくお願いの程申し上げます。

平成21年4月吉日


〜 お茶の宿 平成21年 新春版 〜

茶況・ブレンド
昨年の茶業界は原油高と資材等の値上がりや、食に対しての不安心理が消費不振を招き、ドリンク飲料と共に売り上げが減少し。秋以後は消費者がお茶に対し専門店等は安心安全と認識をしはじめ、総務省の家計調査でも個人消費は増えております。特に年末は家庭用の飲み茶は売れて、贈答用の上級茶は不振でした。新茶後は価格に変動があるかも。年明けは暗いニュースが多く全く売れてません。20年度の一番茶は下級茶が安く今年も同様な低価格ですと、茶農家は経営が成り立たなく止める生産者も出て来ます。数年来在庫過剰でお茶が溢れているのが現実ですが、産地では茶畑の放置茶園が年々増え続けております。今後は茶農家の減少で生産量は急激に減るでしょう。当社も契約農家の栽培指導等をして原料確保に努め、お客様の求める良質で安心安全なお茶を提供出来るように、生産者と一体になり頑張る所存でございます。
平成16年度より実施された表示問題。特に産地表示は見直さないと小産地や山間地の茶農家は消滅する事も予想されます。お茶の産地とは長年培った火入れ加工技術やブレンド技術に安心・安全と国内産の茶葉で加工した所が産地です。現在の産地表示は縦割りに決められ一定地域の茶葉100%です。お茶は麺類や豆腐(JAS法)の表示に近い農産物です。安心安全が確約できれば産地表示は消費の発生しやすいルールに変えないと。お茶は日本の農業でも特殊です。小売販売が他の農産物にないグレード制(段階制)です。上級茶はキロ何十万円から安茶は数十円で取り引きしており売り場価格も何十種類でこの価格帯の味を形成するためにブレンドするその技術力が産地です。消費者に届くまで加工作業の工程は最小10段階以上で製品になります。ミカン・リンゴ・は単体で直ぐ食べられます。お茶は同じ農作物でも全く違うのに生鮮野菜や果物と同列に扱われております。お茶は複数の茶の木や畑で栽培された葉っぱを、選別機で仕分けし良い葉っぱを元に戻しブレンド加工するのでお茶は全てブレンドで成り立ちます。


〜 環境に配慮した農法を実施されている茶農園/生産家/組合様のご紹介 その1 〜

弊社で茶仕入に指定させて頂いております、環境に配慮した農法を実施されております茶農園/生産家/組合様をご紹介します。

●「豊好園」
茶畑を作るとともに植林も手がけており、曰く「豊好園では排出したCO2を植林を守ることにより回収している」とのことです。肥料・農薬等を極力減らす農法に積極的に取り組んでいる生産家です。
  全国品評会において農林水産大臣賞を受賞。
  2008年かぶせ茶の部で片平次郎さんが1等に入賞。
「豊好園」様ホームページ

●「足久保ティーワークス」様
環境に配慮して安全なお茶や農作物を作ろうと、ISO14001を取得、また全組合員でエコファーマーの認定を受け、環境にやさしい農業を目指してがんばっている茶組合様です。
  第41回農林水産祭 内閣総理大臣賞受賞
  第31回関東ブロック茶の共進会 農林大臣賞受賞
「足久保ティーワークス」様ホームページ


〜 お茶の宿 平成20年 夏版 〜

茶況
連日の北京オリンピックの報道と猛暑、何かと暑い夏でした。今年は富士山の初冠雪が平年より53日早いそうです。秋以後は夏の暑さとは逆行して涼しくなるのが早いとの予想。茶況は原油や生産コストの上昇で経費が上がっているのに新茶からの相場は安く、売り上げの減少が一茶に影響したと思われる価格で取引された。新茶の売れ行きは相場の下がるのが早く、積極的に売り出した小売店や、県内の問屋さんでは良い店もありますが、全体では大きく減っております。一番茶の安い原因は売り上げ減の為前年の在庫過多、ギフト・スーパーで売られる比率が大きくなり安茶を求める業者が増え、経費の値上がりなど仕入れ価格を下げられたのが主な原因でしょう。現状のままですと数年後の生産量は減少し、茶農家は後退を余儀なくされ、廃業に追い込まれるような事態が予測できます。ドリンク飲料は5・6月と低温や日照り不足で低調のようです。7・8月は暑い日が続く異常気象で売れ行きは好調ですが一時期程の事はないと思います。通年では大きなダウンを免れないのではないでしょうか。
全国茶品評会入賞者(当社取引農家)
【普通煎茶10キロ】
   農林大臣賞:川根町、土屋鉄郎さん
   二等四席:静岡市葵区大川(本山)、佐藤一芳さん
【被せ茶】
   一等三席:静岡市清水区両河内、片平次郎さん
   見事三軒も入賞者がでました、大変名誉な事です。

平成20年9月吉日


〜 平成20年 新茶 商報 〜

暖かな日が続き新茶の芽伸びが待ち遠しいです。皆様には日頃ひとかたならぬお引き立てを賜り厚く御礼申し上げます。 今年は桜の開花が昨年より早かったそうです。3月初旬までは寒く中旬より急に暖かくなり、桜同様に新茶も早いのかと思わせるほどの気象状況でした。お茶は地温で芽が伸びる為、外気の温度と比例しなく、前年よりやや遅い感じがします。年明けの気象状況としてはお茶を生育するのには理想の天候です。このまま天候異変などなければ、走りのミル芽は少ないと予想しますが、味は良い茶が出来るでしょう。3月末には鹿児島県の種子島物新茶が市場に出回っており、スーパーやデパートなどで売られていますが、産地表示等の問題で今年は静岡産の人気が高まると思います。大型店などはいろんな企画で新茶の売り出しに力を入れております。専門店こそ品質や味と産地の差別化をアピールする絶好の機会と思いますが、是非とも新茶の売り出しに力を入れて下さい。
年明けの茶況ですが、スーパーなど量販店は大きな落ち込みもなく順調と思います。贈答用は良く動いております。波はありますが、年間を通して一番安定をした売り上げがあり、専門店とドリンク飲料は厳しい状況が続いております。在庫は静岡茶に限り良く片付いていると思いますが。原油高でコストの上昇に低価格志向と、生産者にとり悪い材料ばかりで新茶にどのような影響を及ぼしてくるのでしょうか。今年の静岡茶市場の初取引きは4月21日(月)と決まりました。社員一同頑張り邁進する心構えでおりますので宜しくお願いの程申し上げます。

平成20年4月吉日

〜 お茶の宿 平成20年 新春版 〜


茶況
明けましておめでとうございます。皆様方におかれましては健やかな新年を迎えられたこととお喜び申し上げます。昨年は食の偽装など表示に関する問題をマスコミに取り上げられ、ISOの安心・安全が理念の当社も、お得意様や消費者の皆様に安心で良い商品を提供出来ますよう、社員一同最善の努力を致したいと思います。昨年は二年続きの消費減少で産地問屋も元気がありません。在庫も一番茶は上・中級茶とも適正か多い値ごろもあり、二番茶以降の下級茶は表示の問題など国産茶の需要が急増し、生産の減少もあり不足ぎみです。平成18・19年と一番茶は消費減少や価格の低迷に19年の二茶より原油高と生産者には大変な環境になって来ました。農家では生産意欲が薄れだしており、今年に入り静岡県では荒茶共同工場と個人の荒茶工場が解散・廃業に追い込まれた所もあります。経営者の高齢化も重なり原油高や資材・輸送コストの値上げとマイナス材料ばかり、新茶に影響を及ぼす事も考えられます。農家・産地問屋・専門店と生き残りをかけた状況が続くでしょう。平成18年からリーフ(緑茶)・ドリンク飲料とも売り上げ減少をしており、資本や宣伝力のあるドリンク飲料業者も減っている中、茶業者は健闘をしていると思います。世界で自然の飲み物はお茶と水だけです。安心・安全の飲料提供業者として素晴らしい仕事ですね。今年も宜しくお願い致します。
世界お茶まつりと新しい販売
11月1日から4日まで静岡市のグランシップで世界お茶まつりが開催され4日間で10万人の人出があり当社も出展し、オクミドリ品種の試飲販売を行いました。静岡県の富士・清水・本山・牧之原・袋井、奈良の月ヶ瀬・佐賀の唐津・鹿児島の8産地を50グラム袋詰め各300円で販売、オクミドリは産地により味に特徴や香りの違いが消費者に分かり易く好評でした。来店者が1日約2500人と食事をとる間もなく忙しかったです。8品目と少ないなかで差別化をして美味しいお茶であれば売れると思いますが、本山、牧之原、袋井、奈良の月ヶ瀬と人気がありました。

〜 茶業の活性化と茶業青年の役割について 〜

(石川四方蔵商店研修生、新潟県魚沼市・丸由茶舗、磯部真聡様)
(研修期間:平成18年4月〜平成19年10月)

私は新潟県出身であるが全国で生産されている何種類ものブランド茶の名は耳にした事は何度もあった。「本山茶」、「知覧茶」、「八女茶」、「宇治茶」、「狭山茶」等、各生産地が自信を持って作り、販売している。スーパーのお茶コーナーを見ると、どれを買って良いのかわからない位沢山のブランド名と販売者名が並んでいる。茶業関係者ならばお茶に関しての知識をお持ちであり、ブランド名と価格を見ればある程度は中身の想像がつく。ところが、一般消費者はほとんど中身がわからないまま、言わば福袋状態でお茶を購入する訳である。一般消費者に「なぜこのお茶を選んだのか?」と聞くと、たいていの方は「いつも買っているから」と答える。問題はその『いつも買っているお茶』を始めて購入した理由は何か、という事である。これは私の憶測であるが、おそらくはパッケージに記載されているブランド名や歌い文句を見比べて選んだ人が多いのではないだろうか。県外出身者の私から見ると、静岡県の人はお茶に詳しい一般消費者が多いと思う。とても喜ばしい事だと思う。しかし全国的にお茶の消費を考えると、お茶の産地以外に住むお茶をあまり知らない人々がその大半を占めるのだと思う。
私が一番気に掛かる事は、全国各地の小売店が消費者に対してどの様にお茶の情報を伝え、理解して頂いているかという事だ。もっと沢山のお茶の味を知って頂く必要性がある。そしてその義務がある。一つの味しか知らない人と、五つの味を知っている人が同じお茶を購入したとしても味は同じお茶だが、購入者が感じる「いくつかの中から自分が選んだ美味しいお茶」という付加価値は違ってくる。また、この様な小さな幸福感は商人が消費者に対して唯一与える事が出来る「心の贈り物」である。この小さな1%が未来の100%へと通じる道である事は間違いない。品名という単なる名称はこうした地道な努力の上でようやく「ブランド」として輝くのだと思う。  さて、読者が思う『美味しいお茶』とはどの様なお茶だろうか。我々茶業者にとって最も重要な事である。私は常に自問自答しているが、自分が美味しいと思うお茶は本当に美味しいのだろうか。他者にも美味しさが伝わるだろうかと不安に思う。未熟の極みだと言われればそれまでだが、敢えてここは柔軟性と協調性の表われだと前向きに考えたい。お茶の職人として自分が美味しいと思うお茶を自信を持って購入、販売し、お茶の商人として消費者が気持ち良くお茶を飲める環境を整える事を心掛けたい。「錆びるより、燃え尽きた方がいい」ロックミュージシャンの故カート・コバーンは自ら命を絶つ直前にそう書き残した。私も彼の様に純粋な気持ちで茶業に専念出来たならば幸せである。
話は変わるが、昔と比べると個性あるお茶が少なくなったというが、これは生産者に個性が無くなったのではなく、茶問屋が個性あるお茶を買わなくなった事が原因だと思う。この原因のさらなる原因はと言うと小売店が売れるお茶しか買わなくなった事が原因だろう。なぜ?一昔前のお茶が飛ぶ様に売れた時代の話である。戦後の高度経済成長に伴い、出荷に殆どの時間を費やし、情報を提供する暇すら無かったのか。又、情報で商売する時代でもなかったのか。しかし今は2007年に入った。茶業界全体で足元を固め直す時期であると思う。今、そしてこれからは私達茶業青年にバトンが回って来る。 しっかりと正面から向き合い問題解決に取り組んで行こうと強く思う。

〜 お茶と環境 〜


山間地の有機、エコファーマーで栽培されたお茶、外敵の発生が少なく空気の綺麗な山間地に栽培されたお茶は環境や安全など全てにおいて自然の立地条件が整っております、安心安全の山間地で栽培したお茶を消費者にお届けする役目を是非私共にさせて下さい。

〜 お茶の宿 平成19年 夏版 〜


茶況
記録的に暑かった夏も過ぎ去ろうとしております。今年の静岡産1・2・3茶もお盆前に終了し、9月下旬より始まる4茶と秋冬番のみになりました。総務省が発表した今年6月までの一世帯当たりの消費量家計調査では、前の年より消費の増えたのは走り新茶の4月のみ、5ヶ月は前の年を下回り消費減少がまだ続いている事が数字に表れています。4月は新茶が昨年より早く出たので売れ行きが良かったと思います。また記録的な猛暑の7月・8月は仏事関係と安い茶は比較的動いたが専門店は前年より軒並みダウンと最悪の状況です。静岡の産地問屋からも走りの新茶期を除き景気の良い話しは聞かれず、朝晩涼しくなってきた9月以後の消費に期待をしたいです。 一方、緑茶ドリンク飲料は7・8月を除き暑くなるのが遅かったので売れ行きの伸はないと思います。静岡茶市場での取り引き状況を見ておりますと、2茶以後はドリンク関係一社だけお茶屋さんのグループが買い占めをしており、ドリンク飲料メーカーも格差が出始めているのかと思われます。各社とも秋口にかけて新商品の販売に力を入れて来るでしょう。平成16年をピークに売り上げの伸びは止まったのでは。
ミネラル水
8月20日の朝日新聞朝刊にミネラル水大増産の記事が掲載されていました。将来緑茶に匹敵する巨大市場になると予想をしている。大手のサントリー、キリン、アサヒ、の各社とも国内の名水や栄養分を含んだアルカリイオン水、バナジウム天然水などを売り文句にして高いシェアを確保しょうと生産体制の増強に乗り出している。飲み物ですのでリーフ(緑茶)の強敵になる事も。